いい感じの空き家や空き地をみつけても名札がついているわけじゃないので、現在の持ち主を探さなければいけません。ネットで検索すればやり方はすぐに出てきますが、ぼくは忘れやすいので復習する意味でも記録しておきます。以前は建築設計の仕事をしていたので、知っていることなんですけどね。
探す方法はズバリ『探偵に依頼する!』
ではなく、法務局という場所に行き誰でもかんたんに『他人の登記簿謄本を取得』できます。もちろん合法です。注意点などもあるので、はじめて他人の登記簿を取る場合は最後まで読んでおくことをおすすめしておく。
街で見つけた土地や建物の所有者を調べる方法
車を走らせていると「おっ?このボロ屋リノベしたらいいんじゃね?」なんて建物がたまにありますよね。そういった空き家を買い取ろとおもっても、持ち主がわからないと交渉しようにもできません。
ではどうするのか。
答えは単純で、土地建物などを所有する権利は法務局に『登記』というかたちで登録するんです。登記簿とよばれる名簿のようなものは、日本にある土地や建物の所有者が誰であるのかを記録してあります。
登録を記しておくということ。
ちなみにここで書いている登記簿とは、不動産登記簿のことで、他にも法人登記簿など法務局で扱っているものは多岐にわたります。くり返しになりますが、土地建物の登記簿は不動産登記簿ですよ!
登記簿の写しを窓口で請求する
登記簿は『写し』(コピー)の取得と『閲覧』(見ること)ができ、写しも閲覧も料金がかかります。代金は一律に一件あたり450円の印紙を購入し、請求書に添付し支払います。印紙は前もって準備するのではなく、だいたいは登記簿の請求窓口ちかくか、かかりの方が案内してくれるので持っていく必要はない。
ちなみに空き家の土地と建物の場合は、土地と建物それぞれで1件づつなので合計900円かかる。
手順的には上に書いたとおりで、ここから少し補足していく。
まず聞き慣れないのが地名地番ですかね。
地名と地番とにわけて考えたほうが理解しやすいから、わかりやすく分解していく。データは検索して出てきた情報開国というサイトからお借りしています。調べればわかることですが、検索のほうが早いですからねw
地名というのは普段郵便物などが送られてくる住所の〇〇町といった部分までをさす。日本の政治拠点である『国会議事堂』の住居表示は、『東京都千代田区永田町一丁目7番1号』です。公開情報なので問題ありませんよね。つづいて国会議事堂の住所から地名は『東京都千代田区永田町』ということがわかります。
地名というのは住居表示でも使われているのでわかりやすいですね。
次に地番ですが、こちらが住居表示とは違い同じ地名に同じ地番は存在することができないのです。地番というのは住居表示とは違い、同番地というのが無いということ。なので、地番ごとに持ち主がはっきりしているということ。
地番には枝番というものも存在していて、こういっためんでは住居表示と似ているとも言える。
枝番とは、地番で『1番地』が存在していたとして、1番地を分筆(分割すること)するときに、『1-1番地』と『1-2番地』とにわかれるといった感じ。
国会議事堂の地名をさきほど解説しましたが、地番までいれると次のようになります。
以上が国会議事堂が建っている土地の地番となる。やはり都心部なので分筆がすすみ地番の数がおおい。これだけの地番を合わせたものが国会議事堂の地番となります。都会になるほど分筆され地番は複雑になっていくということ。
住居表示と地名地番の違いがわかったところで、やっと先に進めるようになりました。
空き地または空き家の地番を調べる
住居表示では登記簿の写しをもらう申請書には書いても探してもらえません。空き家の住所がわかっているなら、法務局そなえつけの地番地図で、目的の空き家が建っている場所を探しましょう。ネットで調べることもできますが、最初は窓口のおねえさんに聞きながらがおすすめ。
地図上で場所が確定したら、そこに書いてある数字が地番になっている。
かんたんですね。
地番がわかったら地図を持って受付のおねえさんに見てもらいます。きき方としては「この建物の地番はこれであってますかね」てなかんじで。だいじょうぶそうなら申請書に地名と地番それぞれ書き込みし、写しが出てくるのを待ちます。
しばらくすると呼ばれるので、受付に行くと「印紙を〇〇円買ってください」いわれるら、言うとおりに買ってくる。
印紙を購入したら申請書に貼り付け、はれて登記簿の写しを発行してもらえます。
登記簿の種類はどえれがいいのか
必要なのは現在の名義人なので、土地と建物の『登記事項要約書』を申請すればだいじょうぶ。登記事項要約書とは、登記内容を変更した最後の名義で、要約書を閲覧(えつらん)することで現在の名義がどこの誰なのかがわかるようになっている。
他に有用なのが『登記事項全部証明書』で、はじめて登記されたときから現在までの名義人すべてを見ることができる。
普通は要約書だけでことたりますが、全部事項証明書であれば過去の名義人を調べられるので、要約書で調べきれないときには全部事項をとるのもいいかも。くりかえしますが、基本は要約書です。
ネットでも登記簿の閲覧や写しの取得はできる
実は法務局に行くだけじゃなく、ネットでも登記情報を取得することができるんです。これだけネットが進歩しているんだから、当然といえばとうぜんですが。(汗)
上記は個人でも法人でも利用できるため、とても便利なんですが、登記簿の写しは郵送で送られてくるようになっている。ただ、ネットで閲覧(えつらん)できるので、紙の登記簿が必要ないのであればネットで問題ない。
登記簿情報の写しや閲覧には手数料がかかりますが、クレジットカード払いに対応しているので、慣れているならネットがおすすめ。
しかし、自宅から法務局が近いのなら、窓口でいろいろと教えてもらえるので、一度は法務局に足を運んで欲しい。
登記簿をネット取得するのにも地番は必要
ネットで登記簿を見るにもやはり地番が必要なので、地番もネットで調べてしまおうということ。
登記簿を調べられるサービスと同じところで、日本全国の地番を調べることができるようになっている。JTNは民間サービスなので、法務局のネットサービスのように平日だけなんてこともありません。
詳しくはリンクを貼っておくので、興味があるならネット取得にもチャレンジしてみてください。
登記簿謄本で注意すべき点
登記簿謄本には最終名義人の住所氏名がのっています。
これは紛れもない事実。
しかし、あくまでも最終名義というだけで正確なものである保証はないんです。法務局は登記申請されたものが正統であれば受理し、保管するだけなんですね。
所有者がわからなくなるパターン
最終が現在とは限らないというのが不動産業界では常識で、登記簿でわからないパターンはいくつか存在する。
上記のように住所変更や相続で持ち主不明になるケースが多い。
共有名義(所有者が複数)のパターン
共有名義というものがあり、ひとつの土地建物にたいし複数の所有者が損zないしているケースも有る。どういた場合に共有名義になるかというと、夫婦でローンを組んだ場合や相続人が複数いる場合などである。
共有名義だと所有者移転するが大変で、共有名義人すべてに同意をとらないと売却も賃貸もできないところにある。名義人の一人を説得し、自分が共有名義人の一人『共有物分割請求訴訟』で共有の解消をするという裏技もある。ですが、共有物分割請求訴訟は競売を命じられることもあるので、最終手段と考えるべき。
通常は共有名義人すべての同意をとり、移転登記してもらうのが間違いない。
とはいえ、共有名義の場合はお金も時間もかかるので、よほど手に入れたい不動産じゃない限りは、あまり深追いしないほうがいい。
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